瑞穂の素敵な農家さん

就農準備
メイン品目のひとつ、ハウスの小松菜

2022年3月10日

今日はアカデミー最後の講座となる農家視察

農家派遣研修で行ったあきる野市の農家さんが多分に影響を受けた瑞穂町の農家さんを訪問

同期の研修生ひとりが農家派遣研修でも行っており、一度お会いしたかった農家さん

□経緯
瑞穂町で農業をされている40歳
15年前に婿入りされて農業を始められる

□経営理念
奥さんのご両親からも農業は儲からないからやめておけ、と言われるなか、農業に対するネガティブなイメージを断ち切ろう、利益をしっかり得られる農業をする、ということを経営理念にされる

そして、東京での雇用就農先を確保したい、という熱い想いで農業を続けられている

□栽培面積
就農当初、6反(60a)規模からスタートして現在は5丁歩(5ha)規模まで拡大

□品目
栽培品目は30品目から始まって、現在はコマツナ、ネギ、サツマイモを中心に6品目まで絞り込まれている

□販路
販売先は、学校給食とスーパー等小売店で半々

地産地消を前提としている学校給食の売上を8割ぐらいに増やそうと考えておられたが、コロナの影響で一時期売り上げが落ちたこともあり、リスク分散を考慮し、半々の割り合いにされる

学校給食は安定価格で取引が出来るところがメリットだが、豊作時に生産物が余ってしまうので、その調整弁的位置づけとして小売店へ出荷

スーパー等小売店は、地場産コーナーを設けてもらっているところもあるが、価格重視になるところがデメリット

販売先の選定方法として
a.販売先を中心に考えると多品目傾向になりがち
b.品目メインで考えると小品目にして販売先を考える

※b.の考え方は、自分としても目指していきたい方向性
販売先を複数持つことでうまくコントロールをされているが、出荷物が無い場合もあり、その時は近隣の農家さんとのパイプを作っておき、融通してもらう、それでも無い時はスーパーから買ってでも補うことをされているとのこと

この責任感が重要と思うが、就農当初は、そこまでの栽培技術もないなかで不安ではなかったのか質問する

そのプレッシャーはごもっともなことと、理解を示していただき、そのプレッシャーが高いほど利益率も高くなるので、それを楽しめるようになる必要があると教えていただく

直売所のように出荷量を気にせずに出せるところはそれなりの利益率だけど、出荷量に責任を持てるようになるほど利益率も高くなる、とのこと

□農園の特長
①現場を若手スタッフに任せる
 日常の決め事はスタッフで考えてもらい、パートアルバイトさんに指示を出してもらう
 スタッフが増えてくると指示する負担が増えてきたなかで、試行錯誤の末、行き着いた体制
 人によって規格の判断基準はマチマチであり、マルチ張りも人がやると曲がってしまうこともあるが、そういったことを任せられるようになったことが経営発展へのターニングポイントになった

②都内学校給食
 スーパー小売店はどうしても価格重視のなか、学校給食は地産地消が大前提にあるので、地元農家が生き残る手段となる

③スタッフ間の情報共有
 クラウドツールを活用

④強みを生かす
 都市農業という強みを最大限に活かす
 労働力の確保(働きたい人がすぐに集まる)
 人材育成(適材適所)

全部で5haの圃場は11か所に点在しているなか、ご自宅周辺のハウスなどをご案内していただく

瑞穂町内では、優良な農地はもう少なくなってきているとのこと
そんな状況でも自分の持っている経営資源にこだわることなく視野を広げることでできることが増えると教えていただく

具体的には、地盤が都内であるのだから、千葉県などで畑を確保して販路は都内、とか色々と可能性はあると教えていただく

都内で新規就農者向けに畑を確保することが困難ななかで、希望者にも2つのタイプがあるのでは?

1つは経営者としてやっていきたいひと(独立就農希望者)
もう1つは、生産をやりたい人

生産をやりたい人については、雇用就農でもいいわけで、行政側でもそういった人への斡旋をしてあげるといいのでは?的なお話もされる

ここの農園では、2,3年で独立したい人は、最近は採用されないとのこと

それは、それぐらいの期間でしっかりと覚えられるものでもないし、教えられるとも思っていない

すぐに就農したい人は、あまりよくない畑でもあれば飛びつきがち
そんなので結局失敗しても・・・
ということで、5-10年頑張って独立したい人、という観点で今は人を採用されているそう

ここの農園では、新規就農で苦しんでいる人よりもしっかりと収入があって休みも確保されている様子

こんな現場の農家さんの貴重な声が行政の人たちにも届いて行政サービスに繋がるといいのに、と思う

農業に注目が集まりつつあるなかで、雇用就農でも収入が得られるこんな農家さんが増えると素敵だな、と思う

これからもどんな取組みをされるのか、ずっとお付き合いさせていただきたいと感じさせる農家さんでした。

JGAP取得されているので、とてもキレイに道具を管理されている。自分もやっぱり都GAPはとりたいわ
設備投資したばかりのサツマイモの保冷庫。自分もゆくゆくは1坪タイプでいいから保冷庫調達したいわ~
タイトルとURLをコピーしました